切ないシーンがいっぱいありました、「海のはじまり」いよいよ最終回目前の11話です。
第11話あらすじと感想
夏は、海と暮らすためにアパートの部屋を片付けます。手伝いに来ていた弟の大和が「困ったことあったら呼んでね」と声を掛けると、夏は「2人で頑張る」と答えます。大和は、その言葉に不安そうな表情を浮かべますが、何も言えません。弟ですからね。これが先輩だったら、2人だけで頑張るなんて無理って言えたでしょうけどね。
「2人だけで頑張ろうとした」水季のボタンのかけ違いが、夏でも繰り返されようとしています。
一方、小学校のクラスでは海のお別れ会が開かれ、海はクラスメートたちから色紙をもらって、立派にお別れの挨拶をします。帰り、夏美と2人になった海は、亡き母・水季が、自分のことを何か言っていたかと聞きます。夏美は「いつも、海ちゃんが一番大切って言ってた」と伝え、海はにっこりと笑いました。そんなこと、学校の先生に言えるお母さん素敵ですね!
日が替わり、朱音と翔平が、荷物と共に海を連れて夏のアパートにやってきます。「おじゃまします!」と大きな声で上がる海に、「今日から『ただいま』ね」という翔平。翔平と朱音は海をぎゅっと抱きしめ、別れを惜しみます。海は水季からもらった大切な絵本を南雲家に忘れて来てしまったことに気づき、今度持ってくるね、と翔平が優しく伝えます。海が図書館に行きたいと言ったため、翌朝、夏は海を自宅近くの図書館に連れて行きました。しかし、ママの存在を感じられない図書館に、海はぷいっと絵本も見ずに帰ってしまいます。その後転校先の小学校に行き、夏は、ママがいないからパパが頑張ると海に伝えます。ママがくれた絵本を取りに南雲家に帰ると、そこでは朱音が水季との思い出の鍋を抱きしめ号泣していました。
海は弥生に電話をし、“友達”として美容院へ行きました。水季が、いつか行こうねと約束していた、カリスマ美容師?「いちばん好きな花」(本作と同じ生方美久氏が脚本を担当)の夜々にカットしてもらいました!帰りには、ケーキを食べながら、水季の話をたくさんする海。海をアパートに送り届けた弥生は、いつもと様子の違う海を気にかけ、夏に「元気は元気なんだけど、水季さんのこと前以上にばーっと話す感じあったからちょっと気になって」と心配します。
後日、学校で「ママいないの?」と聞かれた海は、「ママいたよ」と答えます。何と答えれば良かったのか尋ねられた夏は「ママいないけどパパがいるって言えばいいんだよ。俺がいるから」と返しました。海は「ママいたのに、いた感じしなくなっちゃった」と寂しげに話します。ここで、夏が海ちゃんの気持ちに気づけば良かったのですが…夏は、「思い出して寂しくなるなら、無理に水季の話しなくてもいいからね」と答えます。海は「ママはいない人なの?」と返し、夏は「俺はいなくならないから二人で頑張ろう」と海を抱きしめました。
学校から帰宅し、夏のいない1人の部屋で、ポツンと寂しげな海ちゃん。海は水季の写真を見つめます。そして遺灰の入ったペンダントを握りしめると、突然1人で出かけてしまいます。仕事から帰ってきた夏は大慌てで海を探します。津野に連絡し、図書館にいることを知りました。津野は、「すみません、『送ってもらった』って言うから、信じちゃって」と謝罪します。
津野が海に話しかけると、海は、夏に水季の話をすると「もういない」と言われることを話し、「ママのこと忘れた方がいいの?」と涙を浮かべました。
その後、図書館まで迎えに行った夏。ところが、すでに朱音が迎えに来ており、海の姿はありませんでした。
朱音の家へ行こうとする夏に、「もう2人なんだから、今こそ、前みたいに、水季、水季ってうるさくていいんですよ」とアドバイスする津野。「海ちゃん、『いる』『いない』の話してないですよ。わかります? 『いる』とか『いない』って話してるの、月岡さんだけです。『いた』とか『いなくなった』って話してるんです」と続ける。「わかんないですよね。南雲さんがいたときも、いなくなったときも、お前、いなかったもんな。……すみません、『お前』とか言って。あっ、海ちゃんが自分で『おばあちゃんち行きたい』って。『月岡さんが迎えに来る』って言ったんですけど」と、夏に次々とパンチを浴びせます。
その後、南雲家へ海を迎えに行った夏。海は、自分のせいで夏と弥生が別れたこと、朱音と翔平が寂しい思いをしていること、津野にも会えなくなるねと言われたことを話し、「みんなが寂しいの海のせい?」と問いかけた。「違うよ」と否定する夏に、海は「なんでママいた時、パパになってくれなかったの? なんで二人でって言うの? なんでママいないって言うの? 海、ママとずっと一緒にいたもん! いなかったの夏くんじゃん!」と感情を爆発させ、部屋を飛び出していきました。
苦悩する夏。
でも、海ちゃんは、夏がいなかったことを責めたいんじゃないんですよね。ただ、ママがたしかにいたことをちゃんと認めてほしい、ママを感じたい気持ちを分かってほしい、そしてできれば一緒に感じてほしい、ママの話をもっとしたい、そしたらママをずっと感じていられるから…
でもうまく言えなくて、いなかったことを責めちゃったんですよね。もしあの時夏くんがいたら、わかってもらえたはずなのに!って。
夏も、いっぱいいっぱいで、話をちゃんと聞けなかったことに気づいてはいました。帰った後でいっぱい話そうと誘います。
でも、「後で」じゃなくて、「今」聞くべきなんです。こういうこと、子育てではよくあります。その場をまずはなんとかおさめようとすると、子どもは気持ちを無視されたと感じ、ますます状況は酷くなる…こういう時は、覚悟を決めて、まずは子どもの気持ちに寄り添うことが大切です。わかっていても、難しいですけどね。
ずっとずっと、夏くんは、励ます必要はなくて、ただ共感するだけで良かった。
でも、自分が1番不安で、自分自身を励ます必要があったんですよね。自分が不安なときに、だれかの不安を消すことはできません。まずは、自分の無力を認識すること。だから人に頼っていいんだと、気づいてほしいところですよね。
大丈夫、まだやり直せる。海ちゃんがいい子にばかりしていないで、ちゃんと思いをぶつけてくれたから。
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