嘘解きレトリック【原作漫画】1巻第2話 あらすじと感想 

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「嘘解きレトリック」1巻2話

原作漫画のあらすじと感想を書いていきます。

左右馬がウソをつく!その驚きの理由とは?

「人のウソが分かる」という鹿乃子(かのこ)の力を使って、古道具屋で、ぎりぎりまで高値で売ることに成功した探偵の左右馬(そうま)。

嘘が分かる力、便利ですね!さっそく、みみっちいですがお金儲けに役立っております。

古道具屋さんは、酔っぱらってお財布を盗られた罰で、朝ごはんがもらえずおなかぺこぺことのこと。

古道具屋さんに、左右馬はつくも焼きを買ってあげます。

そして!おそばが食べ足りない鹿乃子の気持ちにもしっかり気づいて、鹿乃子の分も買ってくれました。

貧乏なのに優しい!

つくも焼きは、息子夫婦が営む弁当屋の残ったおかずを、団子生地に包んで売っているもので、すごく安くて貧乏人の味方だとか!

ただし、じーちゃんは中身の組み合わせがうまいが、ばーちゃんは、焼きさんまと柿のようなとんでもないものを組み合わせてくるという、なかなかスリリングなお買い物です。

美味しそうだし、ちょっとそのスリルを味わってみたいような・・・。

そんな折、左右馬の事務所に、友人の端崎(はなさき)が尋ねてきます。

恩人の「松葉牡丹の君」が、雑誌の写真に写りこんでいるというのです。

端崎は左右馬に三日前の腐ったつくも焼きを食べさせられ、おなかをこわしてしまったところ、半襟に松葉牡丹の模様のある着物美人に介抱されたとのことでした。

端崎の「げれげれげれ」という、吐き方がなんだかかわいい!そして、同じつくも焼きを食べても平気な左右馬!貧乏って強い!

端崎が、松葉牡丹の君の写真を見せ、この人かと尋ねると、左右馬は、「違う」と一蹴。

しかし、鹿乃子にはそれが嘘だと分かり、戸惑います。

端崎は、「あんなんでも私の一番古い友人なのです」と鹿乃子に伝えていました。

 

そんな友人に、どうしてうそをついたの?

私がうそに気づいてること、先生は分かってるよね。でも何も言わない・・・。

一人で悶々とする鹿乃子。

そんな鹿乃子に、左右馬は古道具屋までおつかいを頼みます。

 

先生は、めんどくさいだけかな?

端崎が持ってきた新聞紙を、古道具屋に渡す茶托の包み紙にしちゃってるし・・・

聞けない。どうしてウソついたんですかなんて、誰だって聞かれたくないもの。

はじめてそばにいていいよって言ってくれた先生に、嫌がられたくない。

 

悩んだ末、鹿乃子は、自分でお店に行って、松葉牡丹の君かどうか確かめることを思いつきます。

古道具屋に記事に載っているお店にはどう行くのかと尋ね、料亭で、松葉牡丹の君を見つけます。

しかし、ここで鹿乃子は立ち止まります。

 

私、またウソをつくんだ。

先生のウソに気づかなかったふりをして、端崎さんに松葉牡丹の報告をして。

これからもそうするの?

私、ずっとこんななの?

ウソが聞こえることを隠してる時と何も変わらない。

先生はこの力に向き合ってくれたのに・・。

 

左右馬は、鹿乃子のうそが聞こえる力について、一緒に実験をして検証をしてくれていました。

その結果、文字に書いたウソは判別できず、ドアの向こうのウソは分かる。でも、未知のことなど、本人がウソだと認識していなければ、判別できないことが分かりました。

 

こんなふうにこの力と向き合ったことなかった。向き合ってくれる人もいなかった。

 

向き合ってくれた左右馬にうそをつきたくないと、松葉牡丹の君には会わずに帰ろうと体の向きを変える鹿乃子。なんと!左右馬とぶつかります。

鹿乃子は結局、どうしてうそをついたのか、左右馬に直接聞くことにします。

ウソを知られてしまうのを承知で、そばにいてもいいと言ってくれた左右馬に誠実でありたいと思っての行動でした。

ふっと笑う左右馬。

そこへ、古道具やが、警官を従えてやってきます。

松葉牡丹の君を指さし、「あの女が財布を盗ったんだ!」と叫びます。

松葉牡丹の君の正体は、酔った古道具屋を介抱するふりをして財布を盗んだ、「介抱ドロ」だったのです。

 

左右馬は最初からすべてを知っていました。

酔った端崎の財布を盗ろうとしているのを見ていたのです。

もしかしたら古道具屋も同じ状況かもしれないと、新聞記事をわざと見てもらえるよう仕組んだのでした。端崎は被害にあっていないし、気づいてもいないし、顔もはっきり覚えていない。

無駄に関わらせて、傷つけたくない。

左右馬のついたうそは、端崎のための優しい「うそ」でした。

 

 

・・・と思いきや!

左右馬は、鹿乃子にわざとウソを聞かせて、後をつけて、一人でぐるぐる悩む姿を見て楽しんでいたのです!

 

「君ねえ ウソが聞こえるからって、僕の心まで読めてる気になっちゃってない?やろうと思えば、君なんかすぐだませるんだよ~」

へらへら笑う左右馬。

 

鹿乃子は、左右馬の手の平の上で転がされていたのでした!

「何がしたいんですか・・・」一気に力が抜ける鹿乃子。

「何って、それくらい僕は君を受け入れるってこと、ちゃんと話そうと思って。」

左右馬が、真剣なまなざしで語り掛けます。

「気にしてたでしょ、ずっと。君が僕のウソを聞いてしまうことを、僕が嫌がるんじゃないかって」

お月見のススキを差し出しながら、左右馬は続けます。

「ウソが聞こえる力をただ便利なだけだなんて思ってないよ。一緒にいると、ウソを聞く方も聞かれる方も、便利なこともしんどいこともたくさん出てくるだろうけど、ひとりでぐるぐる悩まないでよ。君はもう一人じゃないんだから。一緒にいるから悩むんだからさ。一緒に抱えるよ。」

 

これはもう!!!!!!かっこ良いし嬉しすぎますね。

プロポーズに使えませんか、この言葉?

「気は一人じゃないよ。一緒に抱えるよ」

ウソが分かる分からないに関わらず、全人類が言ってほしい言葉なのではないでしょうか。

悩みを抱えるこどもも、社会人も、一緒に抱えてくれる誰かを本当は欲しています。でも、そんな人いないし、自分だって怖くてだれかに背負わせるなんてできない。そんな人が大半の世の中で、本当に心から、こんなことを言えるのが素敵すぎますよね。

それは、左右馬自身が、自分に対してウソがなく、お金がなくてもやりたいことを貫いて生きているからこそではないでしょうか。

世の中、たいていの人が、自分をだましながら生きている人がほとんどだと思うのです。

行きたくない学校、行きたくない仕事、仲良くしたくないチームメイト、そりの合わない家族。

それでも仲の良いふりをしてやっていかなければ成り立ちません。

でも左右馬は違う。

付き合いたい人としか付き合っていないし、しぶしぶ大家さんに頼まれたことは聞くにしても、納得した上での行動です。

なんとかなるさと思っているからこその、人としての強さがあります。

それに、探偵って、複雑な思考をめぐらす時間が長い分、コミュニケーションにも癖があるイメージがあるのですが、左右馬のコミュ力は素晴らしいですね!

こんな学校の先生がいたらいいし、夫にもいいし、こんな親がいたら最高ですよね。親として、見習いたい。見習いたいです。はい。だけど、貧乏!

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