不登校の時間は幸せな時間だった、私の体験談

私は子どもの頃、学校に行っていない時間が、2年ほどありました。

いじめがあったとかではなく、ささいなことをきっかけに、ぷつりと行かなくなりました。体調の不調もかかえていて、母はせっせと病院に連れて行き、小児科の先生もいろいろ試してくれたけれど、日々だるいのが続きます。振り返れば、もともと体力がなく疲れやすいところに、自律神経のバランスが崩れてしまっていたのだと思います。

それで、日々どう過ごしていたかというと、飼っていた文鳥と毎日毎日遊んでいました。文鳥って、すごく面白いんですよ。なんだか繁殖してのべ13羽いたのですが、すぐケンカするし、でもすごく懐くし、海苔が大好きで文鳥同士で取り合ったり、母が作ってくれたニラたまの上にいきなりダイブしてきたり。お茶で水浴びしてしまったり。私が昼寝をしていたら、いつのまにか手の上で文鳥も一緒に寝ていたり。父が出張で使う新幹線の切符が行方不明になって一生懸命探していたら、文鳥が巣草にしようと、つぼ巣に敷き込んでいたり。
さえずりもみんなオリジナルのものを作るので、歌声を聞けばどの子か分かるのですが、気弱で頼りないけれど歌の上手なオスがやたらモテていたり。結婚できなかったオス同士で寄り添って暮らしたり。オスなのにメスと勘違いされてオス同士で結婚したり。

ついつい長くなってしまいましたが、私が学校に行っていない間、大切なことはすべて、文鳥から学んだと言っても言い過ぎではないと思っています。

繊細だったり大胆だったり、世の中にはいろんな性格の子がいて、ぶつかったり、どこかで折り合いをつけながら生きていくということ。本音で生きること。勝てない相手だと分かったらさっと逃げること。ささいなケンカをしょっちゅうしても、次の瞬間に許し合うことで仲良く暮らしていけること。パートナーが死んで、再婚しても誰にも責められないこと。しばらくお風呂に入らないと汚いし臭いこと。土って食べられるし栄養たっぷりなんだということ。
文鳥たちをモデルに漫画を描いてみたり。文鳥たちの面白い行動を毎日メモした文鳥日記は、今でも宝物です。

彼らとの思い出が好きすぎて、文鳥をおススメしているみたいになってしまいましたが!鳥を飼おう、と言いたいのではありません。

伝えたかったことは、私が学校に行かなかった4〜6年生にかけての2年間は、宝物のような時間だったということ。

あの時間がなかったら?と考えるとむしろ怖いなと思うほど、大切な時間でした。

トラウマを抱えてはいなかったことや、母が専業主婦で余裕があったこと、進研ゼミで勉強できるタイプだったことなど、恵まれていた環境ではありました。

不登校を勧めたいわけでは決してなく、学校に行けるのであれば行った方がいいとは思います。が、学校に行けない子、行かない選択をした子にとって、その時間は、ただの空白の時間ではないということを、是非伝えたい。その時間で、とことん好きなことをしたり、いろんなことを試したりして、輝く時間になってくれたらそれは素晴らしいし、そうでなくても、無理に頑張らなくていい、守られた空間にいた時間というのは、何もしなくても自分には価値があるんだという、一生の心の中の拠り所になってくれると思います。

自分が母親になってから振り返ると、家でゴロゴロする娘を2人もかかえ(姉も不登校でした)、母は相当大変だったと思います。
それなのに、学校行ってとは一度も言われず、何かしなさいとも言われず、のんびり暮らすことを許されていたのは、本当にありがたかったなと思います。

さて、この2年間続いた、悠々自適ライフがどう幕を閉じたかというと…

もともと、テストだけまとめて受けに行ったりはしていたのですが、6年生になって、私もそろそろ行かないとまずいかなと思い、気の向いたときに5時間目だけ行ってみる、という日々を送っていました。

そんなある日、病院の先生から、ある漢方薬が処方され、母がコトコト煮出して煎じ薬を作りました。キッチンには、漢方独特のしぶい匂いがただよっています。姉が、臭いと顔をしかめます。しかし、私は何故かそれを、いい匂いだなと感じました。そして、飲んでみると…不味い、不味いのは分かるのですが、なんだか美味しいとも感じるのです。

私は一気に飲み干しました。そして、その後の記憶は特にないのですが、母によると、いきなり片付けをはじめたそうです。
きっと、体質にあった漢方が処方され、足りなかったエネルギーが補充されたのでしょう。2年間充分休んで、心のエネルギーもたっぷり充電されています。

その後どう戻っていったのかはあまり覚えていないのですが、中学に進学したタイミングでは、毎日普通に通うようになっていました。

中学の就学旅行で、当時の担任の先生に偶然再開し、元気に通っているんだねと、とても喜んでもらえたのを覚えています。

漢方薬はたまたま合っていただけなので、おススメできるというわけでもないでもないのですが、「健康な体」というのはメンタルを支える上でも、とっても大事な要素だなと、今は思います。

参考にならない前提でお伝えすると、勉強はしていたので、学校に行かなかったことで将来困ったことは、私の場合はありませんでした。もうちょっと、運動しておいたら今もうちょっと楽だったかな、後は、人付き合いの仕方を学ぶのにその後時間はかかったかな、というくらいです。
これは、人によると思います。

個人的な意見では、運動と勉強が得意でなくてもいいから楽しいと思えるようになるといい、ゲームを一日中するよりは、日の光を浴びた方がいい、と思っています。

何をしたらいいかわからない、という方は、今の時代、オンラインフリースクールを調べてみるのもいいかと思います。
私が調べていいなと思ったオンラインフリースクール・シンガクさんは、あたたかく寄り添ってくれる、親と子ども両方の居場所になるかもしれません。個人的にはおすすめしたいオンラインフリースクールです。不登校の子は、感受性が強い子が多いと思うので、学校ではできないような表現の取り組みで、心を解放できるのがいいなと思います。

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私の場合、あまり深刻でないケースだったので、参考にならないかもしれませんが、不登校になってSOSを出せたのは、そのまま通い続けて心が壊れてしまうよりは、ゆっくり休むチャンスができて良かったのかもしれない、辛いときは休んでいいと学んでもらえたらいいなと思っています。
それは親御さんも一緒で、一人で不登校を抱えこまず、相談できる人を探すことを諦めないで欲しいなと思います。

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