「海のはじまり」第2話 水季の死因は?考察と感想と予想と生きるヒント

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「海のはじまり」第2話は、母親、父親になりたかったのに、なれなかった人たちの物語でした。

父・母になれなかったのは誰?

①父親になれなかった、夏くん

弥生に、自分の子は中絶したと思っていたことを告白しました。
「もっと話し合えば良かった、もっとできること考えれば、一緒に育てることだって」
本当は、父親になって一緒に育てたかった思いを吐露しました。
しかし、いつだって曖昧だった夏くんですが、一話からの成長も見られます。曖昧な気持ちのまま、会いたいと言ってくれた海ちゃんに流されて会うのではなく、弥生にちゃんと説明して、筋を通したこと。
父親になるために、一歩ずつ進んでいますね!
最後、海ちゃんが夏に抱きつくシーンでは、背後に水季の写真があり、家族3人で抱き合っているかのようでした。水季に供えられた、白と青の夏色の花が、明るい未来を表しているかのようでした。

②母親になれなかった、弥生

海ちゃんに「遊んでもらっちゃった」という弥生。子どもが好きなようです。実は、浅井悠馬という男との子を中絶した過去がありました。海ちゃんのことを「自分が殺したんだと思っていた」という夏に、弥生は過去を言えないままでした。エコー写真を眺め、「自分が殺した」という重みを再確認しているように見えます。

筆者の知人の医師は、中絶時、エコー写真を欲しいと言われても、こういうのを持っていると、お母さんは引きずっちゃうから渡さない、と言っていました。自分を責めず、前を向いていいんだよ、というメッセージを渡したいのでしょう。
中絶という重いテーマ。いろんな意見、いろんな向き合い方があるかと思います。

弥生の向き合い方は、こうでした。
「もし月岡くんがお父さんやるってなったら、私がお母さんやれたりするのかなって。」思っていたより早い母親宣言ですが、声は震えています。前向きな発言ですが、過去の罪悪感をうち消そうと、すがるような思いで言っているようにも聞こえます。
「海ちゃんに、誕生日いつか聞いといて」
誕生日は、自分が産んだ子ではないと確認してしまう残酷な日でもあります。誕生日が、もしかしたら中絶した子とかぶることもあるかもしれません。弥生さんのメンタルは持つのでしょうか。自分の子のように、海ちゃんを愛せるのでしょうか。フィクションとはいえ心配になってしまいます。

③父親になれなかった、津野くん

「無理しなくていいからな、そういうときってほら、自分では大丈夫って思っててもミスしたりするし。」夏を思いやる上司?のセリフの直後、しっかりした津野くんに似合わず、本をバラまくように落としてしまう。みんなに心配してもらえる夏よりも大丈夫じゃないのは、津野くんでした。水季の一家に深く関わってきたのに、あくまでも部外者の津野くん。津野くんの心配は誰もしてくれませんが、心に空いた穴は大きくなっていくようです。
もういない水希の携帯に電話をかけてみたり(私のバッテリーはそんなにもちませんが)海ちゃんの絵本を返しに水季の実家に来たが、家の中から夏の声が聞こえ、会わずに帰ってしまったり。本当は父親になりたかったのに、なれずにいる津野くん。海ちゃんに、転校しなくていいよ、父親になるよ、と言いたかったことでしょう。今後、夏を父親として成長させていく役割を担うと思われます。

④母親を続けられなかった、朱音

朱音が花瓶を倒してしまい、水季の遺影に水がかかってしまいます。拭きながら、ごめんね水季、と涙が出てきます。無力感と戦っているようです。
ごめんね、は何に対してのごめんねなのか。過去に悔やまれる出来事があったようです。娘が病気であることに気づいてやれなかった悔恨なのでしょうか。
朱音が、水季の母親として最後にできること、それは海ちゃんの幸せを考えること。第一話から、朱音なりのやり方で海ちゃんを守っていますが、海ちゃんの幸せのためには今後、朱音自身の大きな喪失感と葛藤を乗り換えていくことになりそうです。

⑤母親を続けられなかった、夏の母

詳しい事情は明かされていませんが、夏の両親が離婚後、本当の母親は亡くなり、父親は再婚したのでしょうか。
「兄ちゃんがお母さんと二人で暮らしていたときと同じじゃない?この人またいなくなったら終わり。」弟の大和のセリフから分かるように、夏も孤独感を味わった時期があるようです。母親も、さぞかし無念だったことでしょう。夏の本当の母親、現在の母親との関係性が、夏にヒントを与えてくれるのかもしれません。

⑦弥生の傷に何もしてあげられない弥生の母

中絶した弥生は、母親に電話をかけました。電話では、もう終わった、大丈夫、ごめんなさい、という弥生ですが、実は中絶した子のエコー写真を大事に取っており、完全に終わらせられたわけではなかったようです。海ちゃんの登場をきっかけに過去の傷が蘇ります。
そのとき弥生の母親には、何ができるのでしょうか。今後に注目していきたいと思います。

⑥唯一、母親であり続けるのは…もういないはずの水季!

水季が朱音に、海ちゃんのことでこれだけはと頼んだこと。
「うみに選ばせてあげて。正解を教えるより、自分の意思で選ぶことを大事にさせてあげて。手引っ張ったり横に張り付いたりしないで後ろから見守ってあげてほしい。」

そんな風に、選ばせてもらうことが当たり前のように育ってきた海ちゃん。

生前、海ちゃんは水季に、「パパに会いたい?」と聞かれました。すると、「ママは?海とパパ会ってほしい?ママの好きにしていいよ」と答えます。こんないい子がいるものか!という思いもありますが、水季にいつもしてもらっていることを、当たり前のように返したのでしょう。
水季の想いは、海ちゃんの中に今なお生き続けていました。
「父親が2人いることもある。いてもいいの」
と水季が言った通り、たとえ弥生が海ちゃんの母になったとしても、1人目の母としての水季の役割が、なくなることはないでしょう。

ちなみに、リアル子育ては、こんないい子ばかりではありません。
次回予告では、朱音が弥生のことを、「『私お母さんやれます』って顔してる」と痛烈な一言をかましますが、

…みんなそうです!

母親はみんな表では、立派にやってるって顔してます。でも実際は、もう無理!限界!を何度も繰り返したりしています。だから弥生さん、気にしないで!なんだかやたら弥生を応援している気がしますが!

 

気になる水季の死因は?

弥生の職場。産婦人科の診察が苦手で、癌検診のお知らせをぽいっと捨てる後輩に対し、それは受けときなよー、なんかあってからじゃ遅いよー、と弥生が諭していました。
伏線の多い生方脚本ですから、これは、水季が癌で亡くなったことを示唆しているのでしょう。
私も多忙にかまけて検診をサボってはいますが…みなさん、検診は受けましょう!

 

第2話から学ぶ、生きるヒント

帰宅し、人の気配を感じて、弥生さん?と聞く夏。はーい!と笑顔で登場する弟の大和。
今回一番の和みシーンです。
「考えすぎちゃって、言葉にするのが遅い」夏と、正反対に「考える前に声が出ちゃってる」大和。

自分と正反対の人が側にいるのは、心強いです!特に考えすぎてしまう傾向がある人は、正反対の人から、新たな視点をもらえることがあるかもしれません。

 

今後はどうなる?

前回の話から、「選択」が大きなテーマとなっています。
講義中に鳩サブレを食べる水季。食べる?と聞かれ、そんなことしなさそうな夏くんが、食べると答えます。
水季は全く同じ鳩サブレを3枚出して、夏に選ばせます。そして選んだ答えを、当たり!と言ってくれるのです。きっとどれを選んでも、当たり!と言ってくれたのでしょう。
これからも、夏は試練を迎えると思われます。しかし、夏がどんな道を選んでも、選んだ道が当たりになることでしょう。

最後のシーン、海ちゃんは、学校であったことを聞いて!と夏にせがみます。何があったの?と夏くんに言わせた次の瞬間、手洗いうがいしてくる!と去っていく。マイペースな海ちゃんは、水季にそっくりです。夏の選んだ道に、当たり!と言ってくれるのは海ちゃんかもしれません。

🔶ポイント🔶
海ちゃんの持っている絵本「くまとやまねこ」
仲良しのことりが死んでしまったくまの再生の話です。このドラマは、海ちゃんの再生の物語でもあります。
お母さんが死んでしまったのに、まだ泣いていない海ちゃん。夏くんが本物のパパになれたとき、海ちゃんも安心して、悲しみの涙を流せることでしょう。
また、自分で選択することを大切に育ててもらった海ちゃん。何か大きな選択を、自分でするのでしょう。大好きな水季とは別に、弥生をお母さんとして迎えるという選択をするのかもしれません。

以上、海のはじまりについて、個人的な視点で考察しました。
水季の母親像が理想的でした。子育て世代には、教育にも参考になる内容だったと思います!

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